不動産投資は年収いくらから始める?続けていく為の理想的な収入
不動産投資は長期にわたって事業を続け、節税効果と収益を得られるものです。ただし不動産を購入または建築することになるため、ローンを組む必要もあり、年収にしてどのくらいから始めるべきなのかが考えどころです。今回は不動産投資を始める年収と、続けていくために理想的な年収について解説します。
●●● 不動産投資の種類と特徴 ●●●
不動産投資にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。株式投資や積立投資などに比べて、必要な初期費用が多いのが不動産投資の特徴です。不動産投資を考えるにあたり、それぞれの特徴を把握しておくのは必須事項でしょう。ここでは、種類別に不動産投資の特徴を解説します。
マンションの一室、または戸建てを購入して賃貸に出す投資
不動産投資でもっともポピュラーなのが、マンションの一室を購入して賃貸として貸し出す形式です。特に都心の駅近くや、大学などがある立地のシングル間取りに多いのがこのタイプ。住宅街などでは戸建てを購入して賃貸に出すものもありますが、どちらかというとレアケースです。
このタイプの投資は、リスクがそれほど高くないのが特徴です。不動産投資の期待利回りはもっとも高いものでも5.5%となっており、投資の中ではそれほど高い利回りではありません。その代わりに安定して収入が得られるのが特徴で、ローンを組むことから長期の投資にも向いています。
なぜ安定しているのかというと、主な収入源である家賃の変動が緩やかであるためです。株式やFXなどでは、1日の中で非常に大きな動きを見せることがあります。しかし家賃の変動は、そのような投資と比べると非常にゆっくりであるため、対策も打ちやすく、安定した収入を得やすくなります。
賃貸アパート1棟を購入または建築して賃貸する投資
さらに大規模な投資として、賃貸アパートを1棟丸ごと購入、あるいはアパート自体を建築して賃貸する投資があります。こちらは非常に大きな借金を背負いますが、部屋が多い分だけ家賃収入も多くなります。
またファミリータイプのアパートにして団体信用生命保険に加入しておけば、自分に万が一のことがあった際に、家族に住む場所として残すことができます。
ただしアパートを建築する土地の評価が低いと、自己資金を入れないとローンが通らない、ということが起こります。アパート建築は場合によっては億単位のローンを組むことになるため、土地の担保力がとても重要になるのです。
土地を買って駐車場として貸し出す投資
土地を買って、駐車場として貸し出す投資もあります。こちらは初期投資が低く抑えられますが、1契約の単価が低いことから収入としてはそれほど大きくはありません。機械式のゲートなどを設置すれば、それだけ費用もかかってきます。
ただし都心の駅近くなどで駐車場を貸し出すと、地方で1LDKを貸すのと同じくらいの収入を得られる場合があります。立地によっては順番待ちが出るほど人気になるケースもあるほどです。いい土地が空いていて初期費用を少なくしたい場合、駐車場を貸し出すのもいい投資になるでしょう。
●●● 不動産投資のメリット・デメリットとは ●●●
不動産投資は最初に動くお金が大きく、どういう性質の投資なのかを知っておかないとなかなか踏み出せない、ということもあるでしょう。ここでは、不動産投資のメリット・デメリットを詳しく解説します。
不動産投資は節税効果が高い
不動産投資は、節税効果が高い投資です。不動産投資は事業なので、確定申告時に経費を計上できます。経費の中に含むことができるものとして、建物の固定資産税、不動産購入時に組んだローンの金利部分、建物の減価償却費があります。
経費に組み入れられるものが多いことで、不動産投資であげた利益を帳簿上で減少できるのです。そのため、あげた利益から経費を引いたものに税金がかかることになり、節税効果が高くなります。また不動産投資の所得については、給与所得と損益通算ができます。
もしも不動産投資が赤字になったとしても、給与所得と損益通算をすることで給与所得を減らすことができ、結果的に所得税や住民税の節税ができるのです。
特殊な事情以外では値動きが緩やか
多くの投資にあるリスクとして「価値の変動リスク」があります。株式投資なら株価の低減リスクがあるように、不動産投資にも価値の変動リスクとして家賃リスクがあります。家賃が下がってしまえば、もちろん収入が下がることに直結するため、気をつけなければならない点です。
しかし株価などとは違い、家賃は急激な変動が起こりにくいものです。なかなか入居者が決まらなくて家賃をいったん落としても、次の募集のときに戻したらすぐに入居者決まったといったこともよくある話です。
家賃は、基本的に相場で決まります。周辺にある賃貸物件の家賃がいっぺんに下がるということはまれです。急激な変動があるとすれば、たとえば近隣にあった大学がなくなった後にシングル間取りの家賃が下がるような場合です。他には賃貸物件に住んでいた入居者が、なんらかの理由があって室内で亡くなった場合も、事故物件として家賃が下がります。
このような場合以外は、家賃の動きは比較的ゆるやかです。そのため、安定した収入を得られるメリットがあります。
空き家リスク・管理リスク・災害リスクがある
不動産投資には、気をつけるべきリスクが複数あります。
家賃リスクの他に、空き家リスク・管理リスク・災害リスクなどです。空き家リスクは入居者がなかなか決まらないこと、管理リスクは入居者の家賃滞納や設備の故障などに関するリスク、災害リスクは自然災害のリスクです。
空き家リスクは家賃リスクと関連性が高く、家賃を下げたり人気設備を追加したりすることである程度の対処が可能です。管理リスクについては、自分一人ですべてに対処するのはほぼ不可能です。管理については管理会社に任せるのがもっとも有効でしょう。
災害リスクについては、保険加入と入居者の火災保険加入の確認・徹底をしていくのがもっとも有効です。
●●● 不動産投資におすすめの年収は? ●●●
不動産投資は、投資開始のときに大きなお金が動きます。ほとんどの場合はローンを組むことになりますが、そのローンに通るのかどうかが問題です。
不動産投資におすすめの年収はどのくらいかを解説していきます。
マンション投資・戸建て投資なら700万円前後でも可能
マンション投資や戸建て投資であれば、年収700万円前後で始められます。
オリックス銀行では、不動産投資用のローン商品があります。
この不動産投資用ローンでは、立地条件などの他に前年度の税込み年収が700万円以上で、返済期間は安定した収入があることという条件がついています。つまり、年収700万円台であれば審査に通る可能性があるのです。
アパート経営は高年収が必要、サブリースも視野に
アパート経営については、建築費用・購入費用どちらも高額になることが多く、億単位のローンになることも珍しくありません。そのためそれなりに高い年収と、立地条件の良さと両方が必要です。
返済費用も高いため、空室リスクを極力なくすようにしないと、返済が滞ってしまいます。サブリースであればサブリース業者が1棟まるまる借り上げ、空室であったとしても家賃収入があるので、空室リスクは高くありません。アパート経営を考えるなら、サブリースも視野に入れておきましょう。
駐車場経営は初期投資が低く、年収条件も低い
駐車場経営は、用意すべきなのは土地のみです。そのため、場所によっては初期投資を低く抑えることができ、年収が多少低くてもローンも通りやすくなります。ただし機械式のゲート設置などによって、初期費用が上がる傾向にあります。
始めやすい投資ではありますが、駐車場の需要が高い駅近くの土地は高額の場合があります。駐車場経営をする立地について、事前によく調べておきましょう。
まとめ:
不動産投資は、年収700万円台でも始めることが可能です。ただし、ローンを契約する際に、これまでの信用状況を照会されたり、ローン返済中に安定した収入が見込めるかどうかということも検討されたりします。
それでも富裕層向けの投資と思われがちな不動産投資が、年収700万円からできるというのは意外に思う方もいることでしょう。
長期間にわたる投資で、安定収入が得られるのが不動産投資の特徴です。自分には無理と決めつけずに、ぜひ検討してみてください。
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